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200908
Sunday
200908
Wednesday
今年ももう三分の二が終わったっていう事実に、みなさまお気づき?!びっくり。
このひと月ばかりの間にも色々なことが起きましたよ。
おうちゃくものなのでダイジェストでまとめます。
★虎子にまつわる奇跡★
奇跡って、みなさん、本当にあるんですね。
そして、安西先生、あなたの言葉は正しかった。
今までの何度か日記に登場しているうちの名物問題児おばあちゃん。
一緒に暮らしてきたこのほぼ30年の間、一瞬たりとも本当の信頼関係が築けたことはなかった。
50年近くも心をこめて面倒見ている母(ばあちゃんにとっては実の娘)のことを全然信用しないで感謝もしないで、ひどいことばっかりいってひどいことばっかりするから、私たち孫娘はおばあちゃんのことを本当に嫌いだった時もあったし、それでも家族なんだから、母親が頑張ってきたんだから、て言い聞かせて何とか優しくしようとするけれど、優しくすれど優しくすれど思いやりが通い合うどころかつけあがるばかりで全然、何もかわらないどころか悪化していくし‥
一度も、彼女が悲しみとか喜びとか感動とか、人間的な感情で涙を流しているの見たことなかった(くしゃみとか以外)
一度も、心からありがとうって言ってくれたことなかった
文句とののしりの言葉ばかり浴びて邪気にあてられて本当に一緒にいるとこっちが具合悪くなりそうなのに、絶対に絶対に絶対に絶対に自分から何かをかえようとか優しさを発信しよう、とかかけらも考えない人だった。もう意味わかんなかった。
それが、ここ1ヶ月ほど、何かが変わった‥‥‥‥‥!
そもそもの発端は、例によって私たちが何百回も、「今は一人で歩ける状態じゃないから、動く時は必ず呼んでちょうだい」と言っても、わざと「わざと」うちらに声をかけずに一人で歩いて骨折して入院することになった、というちっっともかわいくない同情できない状況にあった。
でも、どれだけ憎らしいばあちゃんも、骨折によるあまりの痛みで弱りきって、もう自分は次こそ退院してこの家に戻ってくることはできないんだ、て珍しく本気で悲しくなっちゃったみたいなのね。
弱々しく、「明日から入院だからもうこの家とはお別れだね、さよなら‥‥」というばあちゃんを見て、何ともお人好しな母は、ふと本当にかわいそうになってしまって「そんなことないよ、世界でひとりだけのあたしのお母さんなんだから、まださよならなんて言わないで」とつい言ったんだそうな。
そしたらあーた!そしたら!
ばあちゃん、顔をくしゃくしゃにして涙を流し「由里子(母の名前)ありがとう〜〜〜」とむせび泣いたんだそうな!
母がそういうことを言ったのは、もちろんこれが初めてではないです。何度も言ってるんです。私たちだって、大切だって何度も伝えてるんですよ。
でも、今までのばあちゃんだったら
「へんっ(←鼻で笑ってる)」の後に
「どうだか‥」
「恩着せがましい」
「遺産目当てのくせに」
などなど、まじでこいつ殴ったろか?的な発言が出てくるのがお決まりのパターンだったのに、今回、生まれて初めて、人間らしい反応が返ってきたのでした!
この話を聞いてめちゃくちゃ嬉しかった。
母が今まで頑張ってきた半世紀近くの時間が、少しはもしかして報われたのかもしれない。
それに、せっかく血がつながっていて一緒に暮らしている家族なのに、一生、絶対に、気持ちが通い合うことなんて無いと思っていた人の、人間らしい一面が見れた。
そんな日がくるなんて思ってなかったから、本当に本当に嬉しくて涙が出た。
その後入院している間、私たちがお見舞いに行くと、今まではまるで下僕かのように、「見舞いに来て当然、ていうか毎日一日中いて世話しろ」と言わんばかりの、まじ本当にどうしてくれようこのば○あ!的態度をとりまくっていたのに、今回は、天使のような笑顔で「ありがとう!!」と超嬉しそう。
そして、一日行かないと、今までなら「どうして来ないんだ、私の世話をするためにあんたら全員一緒に住んでるんじゃないのかぇ?」と言わんばかりの、まじもう勝手にのたれ死ねばいいのに的な発言のオンパレードだったのに、今回はものすごい純真無垢な目で「昨日はどうしたの?心配しちゃったよ。元気だったんだね、よかった〜〜」とめちゃくちゃ嬉しそうでかわいすぎる。
その後無事退院したんですが、退院後ひと月近くたった今も、昔のような邪気は姿を見せず、お世話したりお土産あげたり優しく言葉かけたりすると、本当に純真な赤ん坊のような笑顔で喜んでくれています。
こ、こんな日がくると思ってなかったーーーー(涙)
ばあちゃんがしでかした諸々の悪行(笑)を振り返ると、最後こんな形でかわいくなるなんてずるすぎる!とも思うけど、やっぱり嬉しい。
といっても、イライラすることは多々あるし、実の娘で人生の大半をこの人のために費やさざるを得なかった母からすれば複雑な気持ちではあると思うけど。
それでもやっぱり嬉しい。
通じ合うのがすっごく困難な相手にも、本当の気持ちを伝え続けたら通じることもあるんだ、て、奇跡を目の当たりにしました。
今後も色々あるだろうけど、大切な人に大切って伝えること、ゆずれないことはゆずれないと言い続けること、根気づよく対話を続けることが、ちゃんと実を結ぶんだって身を以て体験できた今回のできごとは私にとってすごく大きな経験だと思う。
「あきらめたら試合終了」っすねー、安西先生ー!
★カンボジア再訪★
仕事で行ってまいりました。
仕事以外で行ったのは、2003年の卒論の調査ツアーのときが最初でした。
その当時は、まだ遺跡の素晴らしさとかよくわかってなくて、楽しかったけど暑くて大変だったなーってな気楽な感想でした。
でも、ヨーロッパとか中国とかアユタヤとか色々見てから改めて訪れたアンコール遺跡、素晴らしかったです。
レリーフの美しさはんぱない。
今は2003年に比べると、遺跡内の歩道も随分整備されて、よくも悪くも観光客が訪れやすくなりました。
昔は、アンコールワットのてっぺんにのぼってぼんやりと熱帯雨林を眺めることができたもんでしたが、それがここ2年くらいはできなくなってしまったのが残念。
でも、世界遺産てそうやって護って行かないとむしろ登録されて観光客が増えるおかげで破壊がすすんでしまうんですよね。
かわりに、プノンバケンの丘から熱帯雨林を眺めながら夕日を鑑賞しました。
カンボジアのガイドさん、今までのどこの町であったガイドさんやドライバーさんよりもさわやかで面白くて優しくて、すごく楽しかった。
もともと好きで興味あった町の同年代の人と、同業者として親しくなれたというのは、私としてはとっても嬉しいことでした!
今回、アンコール遺跡の中でも少し郊外にあるバンテアイ・スレイやバンテアイ・サムレという遺跡も観に行けるツアーでした。
そこまで、シェムリアップの市内から30分ほど、農村地帯を抜けて移動していくのですが、車窓から見える、水田とヤシの木と高床式民家のまわりで裸の子供が遊ぶ風景に、トキメキまくりました。
東南アジアでこれまで訪れた、フィリピン、タイ、カンボジアの農村風景って、何だかたまらなく心を揺さぶるのですよ。
理由はよく分からない。
第二の前世は東南アジアだったかもしれません(第一の前世はフィレンツェ)。
シェムリアップ近くの農村風景は、私ビジョンでお送りする場合、画面中にキラキラマークがとびちっているんだと思います。
とにかく車窓から見ているだけで幸せで幸せでしょうがありませんでした。
また、じっくりゆっくり訪れて、あの町に滞在したいなぁ、とつくづく思いました。
それにしても、シェムリの空港はきれいになっているし、観光業で潤っている地元の人もだいぶ増えたし、同年代の若者が日本語とか英語ぺらぺらしゃべってガイドとして稼いでいるなんて、カンボジアも発展しているんだなぁ‥と、嬉しかったです。
★西オーストラリアパース★
こちらも仕事で行ってきました。
良い、良い、とはよく聞きますが、本当にいい町でした。
市民の憩いの場、と言われるKing's Parkってのが植物園も兼ねてるんですけど、きれいな野生の花や、めずらしい巨大なアロエやバオバブの木まで、本当に多彩な植物を見ることができて、しかも川沿いの丘の上にあって、対岸の町並みがずっと見渡せて、本当に気持ちよいのです。
ああいう場所、東京にも欲しいです。
パースのKing's Parkほどでなくても、ロンドンでも、丘の上から何となく町を見渡せる、気持ちのよい光景って沢山ありました。
ちゃんと緑が沢山あって、都会のはずなのにすごく気持ちが落ち着くんです。
でも、東京だと、それなりの場所に行かないと、なかなかそういう風景に出会えない気がする。
パース住民を、心からうらやましいと思いました。
また来月、仕事で行きます。
今回は疲れていてカメラ持って行かなかったのだけど、自由行動沢山あるツアーなので、次回はカメラ持ってって沢山写真撮りたいです。
★日本の発想力★
このひと月くらいで買った雑誌がどれも面白い、というか私のツボにはまる特集を組んでる雑誌が多いです。
普段かわないようなBRUTUSとか広告とかサライとか、こぞって私ごのみのネタを扱ってます。
「日本の発想力」「日本再発見」「出雲大社」ほーら好きそうでしょ。
中でも特に面白そうで今読んでるのが、広告。
「日本の発想力とはなんぞや?」という切り口です。
縄文の発想力、江戸の発想力、から始まり、特許、ロボット、ゲーム、マンガ、弁当、和食‥‥‥とありとあらゆるジャンルから日本の発想力を検証しています。
私は、核とか安保とか外交や軍事がからむ話題の時に、いつも違和感を感じる。
それは、「日本のソフトの力がどれほどすごいのか、分かってない日本人が多すぎる!」てこと。
ハードにハードで返す、それが常識、という前提がある限り、このことに気づくことは難しいかも。
でも、日本独自の自然観、宗教観、食文化、音楽、伝統美術、伝統的なものから現代のものまでのものづくり、マンガやアニメなどの良質な大衆文化、何気ないんだけど使いやすい諸々の道具、そういうものを、本当にすごい、日本って何かただものじゃない、かっこいい、と思って見ている外国の人が沢山います。
お財布をズボンの後ろポケットに入れて歩いても盗まれる心配しなくていい日本って、本当かっこいいと思う。そんな国ほかになかなか無いですよね。
日本がそういう国になったのは、日本人の人間としてのレベルが先天的に優れていたから‥では、もちろんありません。
自然環境、そこから生まれた信仰の形、その中で作られたコミュニケーションの形、その核をなす言葉の広がり‥「色んな条件」が重なる中で、世界でもとっても珍しい特殊な世界ができあがってきたってこと。
海外に行って、大陸の国どうしの、ハードvsハードの対立ありきな世界を目の当たりにして、世界はこんなにこわいとこだったんだ、歴史を振り返れば戦争ばかりじゃないか!となってしまう人も多い気がするけど、そうじゃないでしょう、と思う。
そういう国はそういう国なりの「色んな条件」があったからそうなってるんであって、日本の「色んな条件」とは全然違うんだもの。
日本がどうするか、日本人がどうするか、ってこととは関係ないと思う。
大陸にある他のどの国が考えもしないようなことや言ってもどうしようもないようなことを、日本人だから、説得力を持って言える、ということが沢山あると思う。
紛争回避、非核への提言、環境問題、といった微妙な問題に対しても、日本人だけは、日本人だから、説得力を持って訴えられるメッセージがあるのに、そういう場面になると全然違う歴史や風土を持っているほかの国の様子を伺って、足並みそろえようとするのはなんか違うと思う。
理想主義のようだけど、世界の中で誰か理想を語る素地を持っている民族がいるとしたら、それは日本人なんじゃないかという気が私にはしている。
漠然とした話で申し訳ないけど、日本人が誇りをもって輸出していくべきソフトパワーの源ってのを、私はとっても知りたい。
写真もガイドも添乗も、全部そのためにやっているんだと思う!
そして、自分の中にそういうものを感じたり、目の前にあるものの中にそういうパワーを感じたりした瞬間を言葉や写真でおさめていきたいんだと思う。
これを続けていくことで、いつか何か、人に見せうるに足る説得力をもった作品を作れる日がくるのかどうか、まだよくわかんないけど、とにかく興味はつきない。
「広告」まだ読み終わってないけど、特に心に残ったくだり。
「本当のイノベーションは、しっかりと輪郭を持った独自の文化と異文化とのせめぎ合いの中から生まれてくるものだと思います。」
(編集長:永井一史さんの言葉)
「東京在住6年間に、落とし物をしたことが何度かありました。その中で、私の財布を見つけてくれた店員の『どうして私がもらうんですか?自分の物では無いのに。』という言葉が耳から離れません。こんな誠意ある言葉が、この町ではいつも繰り返されています。とても洗練されている現代の日本を感じます。」
(アメリカ人のエグゼクティブクリエイティブディレクター〔って結局何 笑〕の言葉)
「客観的に海外と比較すれば、まだ日本には、文化資本として美意識と礼節はすごくある。(中略)でも私が気になるのは、美的なものの中に宗教性にも触れる生命力を見ていくという意識が日本人全体を通して弱くなってきているということです。」
(社会学者:池上英子さんの言葉)
中でも特に最後の、『美的なものの中に宗教性にも触れる生命力を見ていくという意識』
これこれ〜!まさにこれをここ3年くらいはずっと写真に撮りたかった気がするんだ!
おんなじようなこと考えてる人がいるんだな〜と思ってとっても嬉しいです。
なんてことを特にまた今感じているというのはオーストラリアから帰ってきたばかりだから、でもあると思います。
パースやフリーマントルのマーケットで、何かかわいい雑貨を買おうと思ってかなりうろうろしたんだけど、全然見つからなかったんだよね〜
服もなんか微妙だし‥
日本に帰ってきたら国分寺のマルイですら!超かわいい雑貨が沢山うってるお店が何軒も入っていてさ。
何か、やっぱり、いいモノ探そうと思ったら日本にかなわないな、とつくづく思った。
雑貨なら東南アジアや北欧とかもかわいいとは思うけど。
結局、オーストラリアで今回買ったもの、
・涅槃仏ペーパーウェイト
・瞑想中仏陀小物入れ
・チベット仏教のマニ車
all made in China or India....
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