【Darling Harbour @ Sydney】
南半球では、太陽の方に向くとき、北の空を見上げるんです。
当たり前といえば当たり前なんですが、言われてみないと気付かなかった。
生まれて初めての南半球・オーストラリア旅行の初日、シドニーのミセス・マッコリーズ岬でシドニー湾を眺めているときに現地ガイドさんが教えてくれました。
そう、オーストラリアでは、何もかもが北半球と逆。
ここでは太陽が西からのぼり東へ沈むのです…
…嘘です。
一瞬だまされた人!
仲良くなれそうです。私もだまされました。
高校2年の物理6点だった私をおゆるし下さい。
元々イギリスの植民地だったオーストラリア。
先住民アボリジニの住んでいた土地を、イギリス系の白人が駆逐して、わりと最近つくられた国だ、ということは、たいていの人がよく知っているはず。
しかし「わりと最近」て実際いつ頃か覚えている人どのくらいいるでしょう?
私も、今回の仕事までちゃんと知らなかったのですが、この国、正式に「オーストラリア連邦」として成立したのは、なんと1901年1月1日、つまり20世紀最初の日なのですって!
感動的なキリの良さ。
ていうか、ものすごく最近生まれた国だったんですね、知らなかったです。
ここに最初の流刑者がおくられてきたのはアメリカの独立後、1787年ということですから、イギリス系の人がおりたってからはそれなりの時が流れているわけですけれど、といってもびっくりするほどの歴史の短さです。
今回は、そんな中ではもっとも歴史の古い町、シドニーと、そこから東海岸を1000キロ位北上したブリスベン・ゴールドコーストを観光するツアーでした。
大都会シドニーでは、お約束のシドニーオペラハウスや、古き良き町並みの残るRocks地区、この国唯一と言われる歓楽街King's Cross、歴史が浅いわりに荘厳なつくりのSt. Mary's 大聖堂を見学し、年中いろんなイベントが開かれるエンターテインメントの中心地である港、Darling Harbour周辺でのディナークルーズにフリータイムもありという盛沢山の内容。
たったの2日間だったけれど、何となく街中の土地勘が分かるようになりました。
シドニーは大都会だけれども、広さでいったらだいぶ小さいです。
繁華街の端から端まで、徒歩でもたぶん30分くらいでいけてしまう。
山手線を横切ろうとしたら2時間以上かかると思うけど、それに比べると本当にこじんまりとした街なのです。
町を歩いていると、「イギリスの元植民地であり、環太平洋国である」オーストラリアの特徴が凝縮されているのが分かります。
れんが造りの建物、Liverpool Street、 Oxford Streetなどの通りの名前を見るとロンドンを思い出してジーンと懐かしくなりました。
一方、ロンドンでは一度もお目にかかることがなかったコンビニ、ロンドンよりずっと質が良さそうな日本食をはじめとするアジア系の食道、新築のショッピングモール・高層ビル・住居が立ち並ぶ様、を見ていると、ヨーロッパとは全然違い、むしろ東京を思い出しこれまた何となくほっとするのでした。
ふたつのホームの雰囲気をあわせもったシドニーは、私にとってはかなり居心地がよく、全然異国にいる気がしなかった。
電車に乗ってぷらっと立ち寄れそうな、そんな気がしました。
ほんの数日間の滞在の中で私が感じた言葉でオーストラリアの都会を形容するとしたら
「あっけらかん」が一番しっくりきます。
歴史の浅さを活かしてとことん自由に、でも、町の景観を大事にする心は忘れずに、新旧の建物を実に楽しくやりたいように配置してできた都市。
重々しくないんだけど、ゴチャゴチャしていない。
街行く人や、お店で接する人がなんだかみんなニコニコしていてすごく親切。
道にもほとんどゴミが落ちていなくてすごくきれいだし。
なんともいえず健全で朗らかな、あけっぴろげな雰囲気に、仕事中にもかかわらず何だかほっとしてしまいました。
ところで思い出したのは、ロンドンできいた移民の話。
当時暮らしていた家の大家さんが教えてくれたのだけど、オーストラリアでは、各民族どうしの確執を予防するために、民族のアイデンティティがみなぎるようなお祭り等のイベントは、みんな控えているんだそう。
ロンドンはその逆で、イギリス人もジャマイカ系もインド系も中国系もイスラム教徒も、自由に町の中心の広場をかしきって大々的に街中まきこんでそれぞれのお祭りを祝うんです。
私は、ロンドンのそういうところが大好きでした。
それはそれであっけらかんとしていて。
まだシドニー滞在2日間の私にどっちが好きとも決められないですが、あえて人間に例えるなら、
シドニーの「あっけらかん」さは、「自由に恵まれて育った人のぽかぽかした朗らかさ(でも時に陰に追いやられている人を知らずに傷つけている)」で、ロンドンのそれは「酸いも甘いも経験した老人にしか持ち得ない、何もかも受け入れる『寛容さ』」って感じだなー、と、思ったりしました。
【工事中の青い壁に赤い標識。ポップな色合わせがいいなー】
【シドニー水族館にて】
【Darling Harbour】
【泊まってたホテルの隣のお店で思わず食べちゃったラーメン(夜食)。800円くらいで、まぁまぁおいしかったです】
シドニーから北にほぼ1000キロ。
飛行機で約1時間半の距離にあるブリスベンへ、飛行機通勤するシドニーのビジネスマンたちと一緒に早朝移動。
旅の後半は、コアラ・カンガルーとたわむれたり、国立公園で野鳥に餌付けしたり、自然と動物との交流が目白押しの内容!
ここ数日東海岸は豪雨にみまわれていて、シドニーでもスコールみたいのに降られてビショビショになったし、ゴールドコースト周辺も嵐で観光どころじゃない状態という前情報があり、どうなることか…どきどきしながら降り立ったブリスベン空港。
窓の外を見ると、なんと快晴でした!ラッキー!
久しぶりの太陽に、お客さんも私もテンションが急上昇。
現地ガイドさん自身もとっても嬉しそう。
早速ブリスベンをバスで移動し、Lone Pine Koala sanctuaryへ、コアラを抱っこして写真を撮りにまいります。
それにしても、車窓から見えるブリスベンの街並みは、緑にあふれていて、一軒一軒のお庭が広くて、どの家も森の中にたたずんでいるって感じで、すっごく心地よい!
「このあたり、一般サラリーマンの住宅街ですよー」
「この辺ではみんな馬を飼っているので道路の両端だけ舗装してないんですよー」
…狭い東京での暮らしとのあまりの違いに頭がくらくらするお言葉。
よく見るとここいらの住居、ほとんどが高床式になっています。
柵みたいなのの上に、家がのっかっている、という感じ。
これには2つの理由があります。
ブリスベンは赤道からの距離でいうと沖縄と同じくらいなので、一年中気候は温暖。
そのため、床をあげて通気性をよくすることで年中涼しく過ごせるそうです。
そしてもうひとつの理由にびっくり。
なんと、この高床式の家、家ごと引っ越しできるんですって!
柵によって「浮いている」したの部分にトレーラーをつっこんで、そのまま家をもちあげて、移動しちゃうんですって〜〜
なぜかオズの魔法使いを連想して「カンザス州〜〜!」と思いました。
ちょっと違うけど…でもなんてダイナミック!と驚きましたよ。
地震がなくて湿気もすくないからこそ、の生活の知恵ですね。
日本では考えられない。
ていうか、家を運べるような広い道路がまず無いか!
さてさて、ところでみなさん、コアラって見たことありますか?
私は今回生まれて初めて見ました。
どういうわけか、「コアラの実物は、くさくてベタベタしていて、怠け者のおっさんみたいで、全然かわいくない」とどこかで耳にしたことがあって、正直全く期待していなかったの。
でもね!実際会ってみたら!
コ ア ラ か わ い い ! ! !
ちっちゃくって、全然べたべたしてなくて、ちっともくさくなくって。
何より、抱きかかえた時の感触や態度が、人間の赤ちゃんみたいなの!
全然怖がらずに、きょとんとこっちを見ながら自分で腕をのばして肩につかまって抱きついてくるのです。。。。。
「ぎゃー!かわいいー!!」と誰よりも興奮してしまい、お客さんに笑われてしまいました。
いやー…あたしは一体どこでコアラおっさん説を耳にしたのかね?
これまでに無責任に色んな人に吹聴してやしないかしら。
みなさんもし機会があったらぜひコアラを抱っこしにオーストラリアに行きましょう!
かわいいよ〜〜★
カンガルーの餌付けもしたんだけど、彼らもなかなかかわいかったですよ。
草むらのそこかしこにのんびりごろ寝しているカンガルー達の中に普通にわけいっていき、手に餌をのっけて顔の前にしゃがむとぺろぺろと食べます。
カンガルーのよだれでべとべとになった手は、彼らの背中をなでればさっぱりときれいに。
私、別に特別動物好きではない、と自負しておりますが、そんな私ですらかなり大興奮のLone Pine Koala Sanctuaryでした♪
翌日はラミントン国立公園へ。
世界でも珍しい、乾帯雨林というユーカリ林と、冷帯雨林の境目を見に。
そして、雨林の中の吊り橋ウォーキングに野鳥の餌付け。
雨に降られてウォーキング中は寒かったけれど、素晴らしい緑の光景に感動しました。
この日のガイドさんは、ブリスベン在住の日本人のおじさんだったのですが、ものすごく博識で、お話聞いているだけですごく面白かったです。
今までのどのガイドさんよりも、使命感を持ってガイドの仕事をしているのが伝わってきた。
捕鯨の話や環境の話、オーストラリア人が大切にしている自然の話など、真面目な話を押しつけがましくなく面白いクイズ形式にしてどんどんお客さんに語りかけて行きます。
あたりさわりない歴史の話だけじゃなくて、問題意識を持って、ガイドという立場を最大限に活かしてお客さんに何かを伝えて持ち帰ってもらおう、としている意気込みを感じて、聞いていてすごく勉強になったし嬉しかった。
オーストラリアの世界遺産の説明をしながら日本の世界遺産の説明もまじえ日本の遺産の素晴らしさも伝えていて、なるほどー、海外の仕事でも日本の話をこうやってどんどんするのもありだなぁ、と参考になりましたよ。
ゴールドコーストからラミントン国立公園に向かう途中、実に10回近く、虹があらわれました!
一日にこんなに何度も虹を見たのなんて生まれてはじめてだよ。
今回の旅行、スコール・濃霧・快晴・しとしと雨、と色々な天気に翻弄されたけど、このときの虹の出現にはお客さんもみんな大喜び!
観光最後の日にこれでもかってくらい虹の写真を撮りました。
「実に多彩な天気でオーストラリアの自然が出迎えてくれました」とのガイドさんの言葉に、みんな大満足。
オーストラリア滞在最終日の夜は夕食フリー。
お客さん達もそれぞれ自由に食事に出かけてしまったので、私は一人でシーフードビュッフェに出かけました。
バス停からレストランまでてくてく歩いていると…酔っ払いの地元?オーストラリア人男子集団が前方からやってきて、「ヘイ、タクシー!」と絶叫しながら、手にもっている矢印型の風船みたいなおもちゃを私に向けてぶんぶん振りまわしてきたのです。
うわっと思った矢先、矢印の先っぽが私の目の横にガンとあたりました!
にも関わらず、謝りもせずに通り過て行ったあのAusie野郎…
うっかり当たっちゃった、のではなく、絶対あれは私がアジア系の女で弱そうだったから意図的にやったものと思われる。
めっさ頭にきたんだけど、とっさに英語でののしり言葉が出てこない。
唖然として口をぱくぱく状態で立ち止まったけど、やつは酔っ払ってるし、大男が集団だし、下手につっかかってあたしがボコボコにされるわけにいかないし…特に今仕事中だし…と、ぐっと怒りをこらえた。
仕事中じゃなかったら、横にいた優しそうなおじさんに助けを求めて、せめて
You must apologize me!!!!!ぐらいは叫んでいただろうけど…
それまでずっと、触れ合うオーストラリア人みんないい人で嬉しかったのに、最後の夜に嫌な思いしました。
イギリスに一年いた間でさえ、こんな思いしたことなかったのに。
まぁ、今回もまたお客さんにもスタッフにも恵まれてここまで無事これたんだから、このくらいのことは我慢しましょう。
次回のために、どうやってののしるかだけ考えておこう♪
そんなこんなで、オーストラリアから無事戻ってきました。
数十年ぶりの豪雨でオーストラリアの地元民たちがびっくりしていたので大変だなぁ、なんて思って戻ってきたらなんと東京も…豪雨。
花小金井についてタクシーに乗ろうとしたらタクシー乗り場が洪水していてスーツケースを抱き抱えて待ったなければなりませんでした。
博識のガイドさんの話によれば、今地球は氷河期なのです。
だから温暖化にどう適応していくかが問題になるのです。
ましてや、人間の活動で、この100年で圧倒的に地球の気温が上がっているということは、この46億年間の地球の歴史の中で前例がない現象なのであって、このままでは、これまでの氷河期→温暖期への気候変動とは比べモノにならない劇的な変化が訪れてしまうのです。
ちょうど数日前に聞いてきたそんな話が現実味をおびて感じられ、ひやっとした帰り道でした。
ところで最近、海外添乗で何かといいものを食べてばっかりだった私、なんかどうも太ったな・・・と思って体重計に乗ってみたところ、今までみたこともない数字が!!
本来の平均値+5キロくらい…
ついに大台にのってる・・・こんな数字一生見ないですむかと思ってたのに…
よりいっそう背筋がひんや〜りしまして、ただいま生まれてはじめて「減量」という言葉に向き合っております。
夏までには戻りたい!
フィッシュ&チップス食べ過ぎた〜〜
【久々の快晴に緑がまぶしい!Lone Pine Koala Sanctuary】
【コロンと丸まって眠るコアラの殺人的なかわいさよ】
【夜行性なのに珍しく起きていた。かわいい…】
【抱いている人の顔は自粛しました。ほら!コアラ!人間の赤ちゃんみたいでかわいいでしょ???】
【この野原の奥にいくとカンガルーがたくさんいるのですよ】
【カンガルーもぽかぽか陽気にうっとり】
【カンガルーもかわいいけどおまえもかわいいよ♪】
【ゴールドコーストの空。不穏な雨雲が異常気象の名残】
【ゴールドコーストの夕焼け】
【ラミントン国立公園に行く途中立ち寄った町、Canunguraにて、一本目の虹発見!】
【Woolworth(スーパー)にて。せんべいらしい。】