三連休。
ツアコン・ガイドにとっては怒涛の稼ぎ時であった。
大体みんな渋滞だらけのきっつい旅程のツアーをぶっこまれひぃひぃ言うシーズン。
ドライバーさんもガイドさんも体力の限界で、はっきりいって客にはこんな時期にバスツアーのることを一切すすめません。
睡眠不足のドライバーさんのバスなんて、私だって乗っててひやひやしちまう。
そんな中、また私は変ちくりんなツアーをまかされておりました。
大体、新宿とか東京から7時出発とかのツアーが多い中、
連休前半のは一泊二日、甲府9時出発
最終日は日帰り、八王子6時半出発
甲府(しかも駅でなく発地までタクシーで移動)9時ってことは、甲府駅には8時には着いてなきゃいけなくて、てことは、特急とかないわけですよその時間。
朝から鈍行で一旅行。
中央線人身事故あったらひとたまりもないんですけど。
そういう無駄なハラハラが心臓に痛い。
最終日は八王子に6時着を目指してって、どう考えても家出るの4時台じゃない…
5時半前後出発はまぁ、いいよ、分かるよ、ツアコンなら常識だよ、
でも4時台連続だと、真っ暗な激寒の中チャリこいでると心臓ちぎれそうに切なくなるのでもうやめてほしい。
普通に、新宿出発とかにしてほしいーーー!!
たまにはいいけど連続はやめてほしいーー
ぜいたくな悩みなんでしょうか
きっとそうでしょう。
その分ツアーの内容自体はすごい楽でした。
紅葉もとめてみんなが関東周辺の紅葉スポットや西へ流れるこの時期に、山梨長野のお客さんを乗せて新潟方面へ。
す、空いてる・・・
そして、大体某HNQや某J社などは、むちゃくちゃなスケジュールで乗務員もお客さんもくたくたになるようなツアーをぶっこんでくるんだけど、今回の超マイナー旅行会社の企画したある会社の「慰安旅行」では、
1日目:お昼ご飯→水族館→ホテル着!
2日目:自然科学博物館→お昼ご飯→解散!
という、驚くべき立ち寄り箇所の少なさ!
ていうか、水族館と博物館ってさ、、、修学旅行じゃないし、、、なぜそのプランを??
そうですね、会社の慰安旅行なので、彼らにとって旅のメインはバスの中とホテルついてからの宴会なわけですよ。
だから、別にたいして新潟の自然とか文化とか興味もなくて、なんかどっかみんなで行ってはっちゃけた!という思い出が作れればそれでよいわけです。
その気持ちも分かるんだけど・・・このそそられなさったらなんだろう。
めずらしく客層若くて、20〜30代くらいの兄ちゃんやおっさんがたくさんいるんだけど…みんなそれでいいわけ??とか思っちゃった。
もう朝バスが出発した時点でできあがってるおっさんたち。
朝からカラオケマイク握り締め下ネタ連発の替え歌オンパレード。
・・・・・・・
こりゃ危ないぞ、と思ってたら案の定夜の宴会では、コンパニオンの女の子たちのスカートめくったりご乱行三昧で、お店の人も唖然!
そんな中なぜか幹事のおっさんにえらく気に入られてしまい、「君たち昼間楽してるんだから(楽なツアーだってバレとる…汗)夜働きなさい!」と、コンパニオン手配してるにもかかわらず2次会までつきあわされた。
普通添乗員は、最初にちょこっとお酒ついだらあとはいなくなってOKなはずなのに、会社からもそういう指示で別席でご飯用意してあったのに、強制的に同席。
お客さんにタメ語でナンパされいじられまくるツアーって前代未聞…
喫煙量ハンパないし…!大学時代を思い出した!臭いのなんのって!
ともかく幹事に好かれれば、仕事がやりやすくなることは確かで、何やっても笑って許してくれるので2日目はある意味楽だったけど、だんだん何のために自分がここにいるのか良く分からなくなり、本気で、「こういうツアーって添乗員いらなくね?」と悩みはじめました。
どうなんでしょう。
自分の中でバランスがとれなくなり緊張の糸がきれてしまった。
そして帰りのバス、自分の存在意義に疑問いっぱいで精神的にぐったりしている中、流されたビデオが「マリと子犬の物語」
中越地震直後の新潟で撮られた、タイトルからしていかにも感動しそうなあの物語…
車窓から見える新潟の風景が映画の中とダブりいい感じ…と最初は思っていたけど、主人公の子どもたちが、死んじゃったお母さんにもらった手紙を読んでるくだりで既に泣けてきて、やばい、仕事中なのに、と思ってるうちに地震がおきて色々おきて、もうだめ。
ちょうど新潟走ってるのがいい感じどころではなく、リアルに響きすぎて「感動」なんて軽いもんではなく、辛さが重いのなんのって。
なんか、ツアー管理の本来の仕事と全然別のことで精神的ダメージの多いツアーでした。
しかしぐったりしている暇はない。
3日目は、HNQの日帰り紅葉狩りツアーで、袋田の滝方面へ。
でも、また八王子6時半発だから、帰ってから準備して当然全然寝られず、当日は眠気と闘うだけで精一杯…
さらに朝からバスが45キロしか出せなくなるというトラブルにみまわれ、車両交換。
バスが来るまで30分くらい待つことになっちゃって、ただでさえ連休で道がこみそうなのに、出発が遅れちゃった。
でもまぁ、そんなことはよくあることなんですよ。
誰が悪いわけでもないし、一通り謝るけど別に、しょうがないと思ってます。
でも、「早めにわかってよかった!」と喜んでくれたり「45キロじゃどうしようもないねぇ!」と笑ってくれるお客さんが大半なんだけど、心のそこからうざそうにしている客も何人かいたんだなぁ。
当然っちゃ当然だけど、彼らの顔見てテンションガン下がり。
前向きにとらえて楽しめばいいのに!
勿論、何度も謝ってるけどそれでも不満なのね。
それ以上平身低頭に平謝りするつもりはございませんよ。
なんか、眠すぎるせいか素直にむかついてしまって、一回下がったテンションをあげることができないまま、ほんとにやるべきことだけやって終わったツアーだった。
最後の挨拶、いつも、心を込めて「またどこかのツアーでお会いできることを心から楽しみにしています。どうかその日まで皆様お元気でお過ごし下さい」と言うんだけど、こんなに空回りな気持ちで挨拶できるだろうか、とはじめて心配になった。
まぁ、前にたってしまえば何とかなったし思ったより大きな拍手をいただけてありがたかったのだけど。
どうも私はHNQのツアーとは相性が悪い気がする。
あそこの人に嫌われて二度とアサインふってもらえなくても別にいいや、あたしは他社専属でかまわないって気持ちがあるせいでよりいっそうテンション回復なんかできるはずもなかった。
とまぁいかなる言い訳があるにしても、ちゃんとしかるべき振る舞いをできていたのか?疑問の残るシーンがたくさんあり、自分の未熟さを実感した3日間でした。
とりあえず、下がったテンションや切れた緊張の糸をコントロールできる術だけはどっかで身に付けた方がよいのだろな。
あと、体力と。
落ち着いたら、ツアコン仲間たちの近況報告&愚痴大会が楽しみ!
気づけばもう忘年会の時期ね…