ダメな映画を盛り上げるためにいくつもの命が捨てられて行く
違う僕らが見ていたいのは希望に満ちた光だ
桜井さんの歌詞を思い出すような、映画だった。
崖の上のポニョ見て来ました。だいぶ前だけど。
命のシャワーを浴びるような映画、と誰かが評していたけれどまさにそんな感じ。
見た直後はあまりのストレートなパワーを受け止めきれず、きょとんとしてしまいましたが、見終わって時間が経つにつれ、手書きの色彩豊かなあの画面がまたチラチラと思い出されて、やっぱりすごいものだったなぁと思うのです。
絵としての迫力・美しさがすごかったのと。
この年であえてあそこまで想像力を爆発させてどこまでも真っ直ぐに「イイモノ」を描ききった監督のものすごい才能と強い思いを感じるのです。
そして、今ジブリ美術館ライブラリーが推薦しているチェブラーシカも劇場で見て来ました。
前からキャラクターのものすごい愛くるしさに惹かれていて、話の筋はとんと知らないのにもかかわらずグッズを買ったりしていたの。
キャラグッズなんて普段まったく興味無いのにチェブだけはあまりにもあまりにもかわいくて!!
それがジブリ美術館推薦ということで、今かかわっている仕事(もう少し内容が固まったらまた告知させていただきます)でチェブ絡みの企画を作っている関係もあって、渋谷まで行って来ました。
!動くチェブ!
か わ い い …!
うっとり。可愛すぎ。声もハマりすぎ。
知ってました、みなさん?
「チェブラーシカ」って、ロシア語で「ばったり倒れやさん」て意味なんですって。
鼻血ブーのかわいさ。
しかし、改めてストーリーを追っていくと、かわいいだけじゃない、ソ連時代の天才アニメーション作家達が、開発の陰で都会で子ども達の遊び場が消えて行ったり川が汚され野生動物が乱獲されている矛盾を、子ども達にもわかりやすいようにアニメ化した作品だったということが分かった。
すっとんきょうなキャラクターとおかしなストーリーのお陰で全然教訓めいた感じではないけれど、これはまぁ、ジブリが推薦するのも分かる!というような、子ども達への愛情と社会への疑問がうずまいた作品だったわけなんです。
これを知ってますますチェブファンになってしまいました。
やはりチェブラーシカはすごい、そして、ジブリも宮崎監督もすごい!です。
その流れで、仕事と称してジブリ美術館に行く機会ができました。
来週月曜、無料で裏口から入れる喜び♪うっふっふ。
仕事だけど童心に帰って思いっきり楽しんでしまおうと思います!
しかし、8月です、ただでさえ、命のことについていつもよりもあれこれ考える季節。
命が生まれるパワーの美しさに感動するだけでなく、無惨に失われて来た命のことについても考える時です。
毎年恒例のように、2003年に放映された名ドラマ、さとうきび畑の歌を1人で見ました。
むげに命を奪われる人とその家族の悲しみ
63年前の沖縄であったこと、忘れないように。
そして沖縄だけじゃない、その後も、今でも世界のどこかで同じ悲しみを味わっている人が沢山いるということ、忘れないように。
もっと「命」が大事にされる世界を作れますように。
その原動力の小さなひとつとなれますように。
改めて、今の自分の生活って、これでいいのかと考えてしまいます。
旅をして自然の美しさを感じて世界を知ることは、絶対に素晴らしいことだと私は思っていてそれで旅の仕事をしているわけだけど、現実にツアーに添乗したりする場合、バスでガンガン走るし、ゴミも出る。そもそもガソリンでないと飛行機は飛ばないし。
昔
「かに座の人は目標に向かってまっすぐ進まず横歩きしながら進むから、目的達成までにすごく時間がかかる。いつかはゴールに辿り着けるけどね」
といわれたことがあるけど、なんか本当にそんな気がする。
本当の目的に辿り着くまでにすごくすごく回り道をしている気がする。
目の前にあることを一生懸命こなさなきゃいけないけど、常に軌道修正のことは頭に入れておかないと、いつの間にか全然違うところに行ってしまうかもしれない。
なんて思っていた矢先、これまた仕事関係で知り合った方が
涼音堂茶舗というレーベルの代表の方だった。
調べてみたら、京都のお寺で茶会と電子音の夕べ、とか鳴子温泉で田んぼやら露天風呂やらと組み合わせてチルアウトイベント、とか(露天風呂の湯気に映像を投影するインスタレーション!露天風呂でまさにチルアウトという!)超面白そう格好良すぎイベントをやっている方だった!
今発売中のSTUDIO VOICEとBRUTUSにも載っています。
ちょうど、中沢新一のアースダイバーという本を読んでいて、むちゃくちゃ面白くて、去年は「西日本西日本!」と騒いでいたけど「待てよ、これからはもしや東北なんじゃ…?」と思っていたところに鳴子温泉のこのイベント。
やばいですね!すごいですね!と大騒ぎしていたらやっぱり、東北が来るよ、間違いなく来るよ、ガイジンにも受けるよ、これは!とのことだった。
「電子音」と聞いて最初、随分音楽の好みが違うヒトなのね、と思ったのだけど、ひなびた農村に残る湯治場とか、そういうとこの文化や自然の美しさに最先端の電子音を重ねて本当に気持ちよい空間を作り出して人を呼び込もう、なんてことになるともうツボにはまりすぎ。
webでアーティストさんの曲を試聴してみたけど、思っていた電子音と全然違って気持ちよいことといったら。
座禅組んだ時のような爽やかさでした。
なんでそんなに素敵なことをできるんだ、なんでそんな私のツボを突いて来るんだこの人は?と思ってよくよく聞いてみたら、その方自身が、日本常民文化研究所というところで中沢新一さんとその伯父の網野善彦さんの弟子だった方だそーで!
どーりで〜〜
民具とか地方の伝統とか大得意の方だったのね。
で、その仕事での私のボスもよくよく聞いたら生まれがお百姓さんだっていうし。
そういうひなびた地方の農村がかっこいい
という話がごく自然にできた。
そういうことを感じている人と、たまたままたつながった、という喜びもあり、
同時に、そういうことを感じている人が、都会で活躍している人の中にも既に相当数いるんじゃないか?
という喜びも。
やっぱり私はこういうカッコ良さにだんだん近づいていきたいんだわ。
そうそう、そもそも移住先を探したくて各地を旅するのにガイドや添乗員がぴったりだ、と思ったのがきっかけだったわけだし。
と、よく分かっていたはずのことを改めて再認識させてもらいました。
とりあえずあと2、3年くらいは目の前の仕事をめいっぱいやって、早々にもっとやりたいことができるように自分が成長するしかないんだな、ということだわね。
ひとまず自問自答の答は出まして。
あとはどこまで身体と精神が応えられるか体力勝負です。
なんだかんだいって、好きなことをやれてる幸せを噛み締めています。
■写真:先週末、また富士山登りました!今度は登頂成功!写真は帰道8合目あたりからの下界の様子。雲と山並みが美しすぎ。(by PHS)