■3/23-3/26
ソウルを諦め、下田へと家族で温泉旅行。
この一年、夜行バスを駆使してあちこち動き回ったけど、こんなにゆっくりとちゃんとしたホテルで特別気分を味わえる旅行は、ほんと久しぶりだった。
ばあちゃんはこの一年で随分弱り、前だったらとりあえず駅前のパチンコ屋に置いといて他の4人で観光、て手が使えたのだけど、それもできないくらいに足下がおぼつかなくなってしまって、日中の大半はホテルで休んでいるばかりだった。
唯一、3日目の午前中に全員で訪れた熱帯植物園は、安っぽいハワイアンミュージックが流れるむせ返るような温室の連なりで、観光地独特の哀愁が漂っていて、旅行気分が味わえた。
しょぼいのだけど、案外熱帯植物が集まると独特の迫力があって、ワクワクした。
海士や家島の海と比べて、伊豆の海は潮の香りが強い気がした。
子どもの頃からの海の想い出の中にあったのは、この強い潮の香りだと思う。
地元のタクシーの運転手さんが、誇らしげに、下田は良いところだと語ってくれた。
冬は温暖で、夏は最悪に暑い日しか30度を越さないらしい。
海は近くて山もあって、畑も沢山あった。菜の花畑もきれいだった。
熱帯植物もあるし桜もきれいし、そこそこ東京からも近いし、将来の移住地候補かも!とちょっと胸躍った。
西日本進出の夢はまだあるけれど、それが叶わなかったら下田悪くない!
それから、白川郷から半世紀も前に移築された合掌造りの家で、おかしなおじさんから面白い話を色々聞けた。
おいしいアロエ茶と、キャラ蕗と、手作りキャラメルをいただきながら。
文化はその土地そのものなんだよ。その土地の自然そのものなんだ。
日本は欧米の文明をとりいれたけど、文化はそう簡単にとって変われるものじゃない。
という言葉が特に印象的だった。
あまりにも衝撃的に面白い場所だったので、次は長期滞在して色々掘ってみたい。
外国人にも、日本人にも、是非見て欲しい場所をまたひとつ見つけた。
嬉しい。心がるんるん踊った。
ペリーロードではおいしいパスタを食べて、かわいい雑貨屋をいくつか見た。
めちゃくちゃ履きやすくてこれから歩き回る仕事でものすごく重宝しそうな靴を買った。
古い街並に、ヨーロッパ風の建物や、新しいおしゃれな建築物が混ざっても、全然景観を損なわないし、むしろしっくりくるということがつくづく分かった。
下田は不思議な魅力に溢れた町だった!
そういえば、私の好きな暮らしの手帖に、下田特集が載っていたのを少し前に見たばっかりだったんだ。
また行きたい、絶対、ゆっくり遊びに行こう。
帰道の踊り子号では、珍しく文句も言わずにいびきをかきながら眠るばあちゃんが、妙にかわいらしかった。
家族みんな寝入っている中、1人みんなの顔を見渡して幸せなような寂しいような気がしてちょっと泣けた。
ばあちゃんのことが面倒くさいと思う日がほとんどだけど、やっぱりいなくなるのは寂しいんだ、という自分の気持ちに気づいて、悔しいけれど嬉しかった。
家族はありがたいけれど本当に厄介な存在だなぁ。
でも、厄介なものほど、一回ハマると抜け出せないんだなぁ。
■3/27
最後のチャリ通出勤。
いつか、早起きして通り道の写真を撮ろう、と思っていたのに、どうしても朝早く起きれず結局いつものように急いで通り過ぎるだけになっちゃった。
近いけれど、理由がなければわざわざ自転車で行く事ももう無いだろうな。
私の後任の人がやっと来てくれた。
大急ぎで引き継ぎをする合間に雑談していたら、彼女が以前添乗員をやっていたことが分かった。
通訳ガイドの半分は添乗員だから、とても興味がある!
「大変なんでしょう?」と聞いたら「5年くらいやった中で本当に大変だったのは3回くらいで、あとはひたすら楽しかったですよ!」との答。
トラブルが起きたら、冷静に相手を脅せばどうにかなるのよ、って 笑。
なんか、ホッとしました。
■3/28
大学時代のサークルの先輩、wayが岐阜へ栄転との知らせを受け、壮行会に参加。
築地市場海鮮丼部の貴重なメンバーだったのに、残念でなりません。
お酒がドリンクバーという謎な居酒屋で、ご飯の味もすこぶる微妙だったけど 笑
相変わらずな面子と会えてやっぱり楽しかった。
あーやっぱりたまにはバンドやりたい!
■3/29
pepeの誘いで、UAなどのライブでも活躍しているチェロリストの
坂本弘道さんのイベントを観に行ってきました。
「木場公園に特設木製ドーム登場!」なんて聞いていたのでどんなもんかと思っていたら、無造作にたてられたドームは、外から見るとまるで「巨大なダンボールハウス?」と見まごうようないでたちで、笑ってしまいました。
でも、中に入ると、すごいかっこいいんですけどね。
チェロ、という楽器。
私、大好きで、といっても、別にプレイヤーとか曲とか全然詳しくはないのだけど、バイオリン科の楽器の中でどれをひとつ選ぶ?と言われたら、たぶん迷わずチェロ!と答えるだろう、というくらい、音が好きなんですよ。
でも、よく考えたらバイオリン科の楽器というジャンル自体にそもそも大して興味が無いので、そうはいっても実際チェロの音を普段聞くことはあまり無かったんですが、でも、ふとした時に音楽を耳にして「あ、これチェロだ・・・」と思うとけっこううっとりする、という程度には好きなんです。
だから、チェロの「演奏」というのも、けっこう楽しみに行きました。
でも、話には聞いていましたが、この人の「演奏」というのは、チェロをバイオリン科の楽器として弦と弓をこすり合わせて深みのある音を出す、という方法、とは限らず(もちろんそういう弾き方もところどころ挟まるのですが)チェロの全てを楽器として使いこなし、ありとあらゆる音を聞かせてくれるところが、すごいんです!すごかったです!
横にかかえてゆらしてシャカシャカ、右手をピックに持ち替えジャカジャカ、ベースのように指で弾いてベベンベン、もちろんピチカートでポロンポロン、えんぴつを上から投げ落としてバラバラ、弦の上で鉛筆を削ってゴーリゴーリ、削った鉛筆で書きなぐってガリガリ、電気マッサージ機でゴォー、ノコギリで火花散らしながらキュイーン、
最後には、天井から吊るされたチェロに油をそそいで火をつける!
炎を出してゆれるチェロは思いのほかとてもきれいで、そして頑丈で、たっぷりと観客の目を楽しませてくれた挙げ句、ほとんど何事も無かったかのように原型を留めて地面に降りてきた。
クラシックのチェロも好きですが、傷をつけないようにつけないように、大事に大事に磨いてケースに入れていたりするのにスカスカの音しか出せないプレイヤーも沢山いる中で、こんなにむちゃくちゃな扱いしているのに、ありとあらゆる音を出してくれるチェロを見て、「あぁ、やっぱりかわいい子には旅をさせなきゃいけないんだなぁ」と妙になっとくさせられました。
チェロ演奏だけでなく、横浜未来演劇人シアターによる舞踏、芥川賞受賞の文筆歌手川上美映子さんによる朗読と歌、上々颱風の白崎映美さんによる歌も素晴らしかった。
特に白崎さんの民族的な歌声は圧倒的だったなぁ。
パンツ丸見えの舞踏にもびっくり。
スクリーンに映し出される映像も印象的だった。
色々な違うものが渾然一体となって、適当に作っているようでいて実はものすごく計算しつくされたものだっていうのが伝わってきた。
最後に、白いスクリーンを踊りのみなさんがひきちぎってそれぞれの身体に巻いて消えて行くところを見ていて、(実際の意図はどうだか分からないけれど)色々なものー土地、水、食べ物、権力、とかそういうものーを奪い合ってきた人間の姿(というか動物の本質?)を見る思いがした。
そして、それがどういうものであれ、一つの巨大な「平面(地面・海面)」の上に成り立っているという時点で同じなんだ、ということに気づいた。
今更ながら、やっぱりライブはいいなぁ、とつくづく思った。
新しい音楽を聞きたくなって、さえない店しかなかった花小金井駅前に、なんと最近TSUTAYAがオープンしたので、寄ってみた。
借りたいと思っていたのが無くてちょっとガッカリしたのだけど、かわりにいくつか借りてきたのがどれも好きだった。
オオヤユウスケ、原田郁子、永積タカシのohanaのアルバム、あまりにも好きそうなので、逆に好きでなかったらショックが大きいのではないかと思って 笑、ずっと聞いていなかったのだけど、観念して借りてみたら、全然良かった!
心配することなかったぁ!
やっぱり、バイオリン科よりも鍵盤楽器の音が好きだなぁ〜
でも坂本さんのライブはまた行きたい!(ときたま流れるピアノの音もすごい良かったし!)